
『ばあちゃんがいる』
伊藤比呂美 文
MAYAMAXX 絵
私が子どものころ、私の母は何でもできる人で、ママさんソフトボールチームのピッチャーもしていた活動的な人でした。私の娘が生まれたとき、母は片麻痺で車いす、話すことすらめったにしない状態で、孫に何をしてやることもできませんでした。私もまた、母のことにかかりきりで、生まれてきた娘に十分な注意を注ぐことができませんでした。それでも娘はおばあちゃんが死んだと悟ったときに声を上げて泣きました。
この本に登場するのはパワフルで何でもできる「ばあちゃん」と「私」です。そんな「ばあちゃん」があるとき動かなくなり、彼岸に旅立ちます。「ばあちゃん」にひっぱられていった「私」は死者の国で、生と死について知ります。はじけるような、燃えるような生と、その先にある静かな死が、エネルギー溢れる絵とともに描かれています。
娘は元気なおばあちゃんを知りません。それでも、彼女の夢の中で、元気なおばあちゃんと、この絵本のように森を駆け回ってくれたらといつも願いながら、この絵本を読んでいます。いのちがいつか終わること、そしてそれでも、全てがつながっていることを教えてくれる、詩人の伊藤比呂美さんによる力強い絵本です。